ブティックオーサキのお洒落対談 vol.4
Beauty column...
ハコワークス デザイナー 国府田清香さん × ブティックオーサキインターナショナル代表取締役 大崎彰
「アートと暮らしをテーマに美しく豊かな生活を提案しています」
今回は、カルトナージュ教室やイベントの企画・主宰、インテリアのプロデュースなど多方面でご活躍の国府田清香さんをお迎えしました。
国府田さんの創り出すアイテムは、究極のハンドメイドともいえるほど、ラグジュアリーで美しいものばかりです。
美しく収納するインテリア小物としてのカルトナージュを基本に、さまざまに展開されるハコの魅力を伺ってみました。
―国府田さんが主宰されるハコワークスの活動について伺ってみました―
大崎:「国府田さんは、カルトナージュのお仕事をいつ頃から始められたのですか?」
国府田:「結婚してフランスを訪れた時に、伝統工芸であるカルトナージュに出会いました。最初は趣味で始めたのですが、その後カルトナージュの本を出させていただいたことで、活動の幅が広がっていきました。カルトナージュは、いろいろな箱に生地を張り合わせて美しく生まれ変わらせてくれるものです。日々お使いになられているものをアートとして身近に使っていくことを提案しています」
大崎:「日常にある箱やカンなどがアートのように生まれ変わるなんてステキですね。ご自身のアトリエをメインに全国で生徒さんに教えていらっしゃいますが、イベントも多くされていらっしゃいますよね」
国府田:「そうですね。ハウスメーカーのモデルルームをインテリアから小物に至るまで提案したり、老舗のファブリックメーカーであるイタリアのルべリやマリー・アントワネットの生地を作った会社などの生地を使ってイベントをしたこともあります」
大崎:「 以前、陶芸家の展示会に伺わせてもらったことがあるのですが、その方も、生活とアートを一緒に提案していました。日々使うものの価値観が変わってきているのでしょうね」
国府田:「使えないオブジェではなく、身近で使えるものとしてアートも変化していますね。生活で使用する日常品を美しくすることで、丁寧で心豊かな生活が送れると思います。子育てや介護などで忙しい日々をお過ごしの方たちに、ご自分で作ることへの喜びを感じていただきたいと思っています」
―カスタマイズでお作りすることが多いと仰る国府田さんのこだわりは何でしょうか―
大崎:「ハコワークスというネーミングはとても良いですね。販売もされているのですか?」
国府田:「はい。カスタマイズが多いですね。アトリエにいらしていただき、イメージの生地を選んでいただきお作りします。世界各国のファブリックを使用しており、とくにヨーロッパのものは手の込んだ美しいファブリックが多く、そのようなクオリティのある美しい生地を多用するのも私の作品の特長です。機能と美しさを兼ね備えたハコとして、カルトナージュの概念を超えてさまざまなインテリアやファッション小物へと展開しています」
大崎:「国府田さんの作品はオートクチュール的なものを感じますが、イメージを形にされる時は設計図があるのですか?どのように作られるのでしょう」
国府田:「家を建てるのと同じです。企画して、木のようなしっかりした紙を使い、それにイギリス、イタリア、フランスの高級なファブリックを使用して作り上げます。ハコのもうひとつの魅力は、開ける瞬間の楽しみがあることです。出来上がったものをワクワクした気持ちで開ける時の表情は皆様とても愛らしく、お作りしている私もいつも喜びを感じます」
大崎:「私も、子供の頃のクリスマスプレゼントを開ける時はいつもワクワクしたのを覚えています」
国府田:「そうですよね。ですので、カスタマイズでお作りすることに私はこだわっているんですよ。その方からいただいた情報をコンセプトにしてお作りするハコにはストーリーがあり、それをお伝えして差し上げると皆様とても喜ばれます」
―美と機能を兼ね備えたハコ作りは、靴作りと共通するところがあるようです―
大崎:「ファッションの中で靴は女性を美しくする名脇役なので、アートだけが先行したものは駄目なんですね。使う方が主役、入れるものが主役の、そのものを引き立てるアイテムであるハコは靴と共通するところがあると思います。バッグはその方を高め、靴は否定も肯定もする。影響力の強いアイテムと思います」
国府田:「目立たないところに気を遣うのはお洒落ですね。きちんとメンテナンスを行い、また季節感があったりすることで、脇役としてのアイテムが光ってくるのだと思います。靴はもっとも身近なお洒落アイテムであり、私も気を遣って選びます。仕事柄、靴のハコもカルトナージュで美しく演出することを提案しています。きれいな靴のハコがシュークローゼットに並んでいるだけで幸せな気分になれますね。靴のハコのイベントをしたいとずっと思っているんですよ」
大崎:「それはステキですね。ところで国府田さんは、とてもエレガントな装いをされていますが、靴はどのようなタイプをいつも履かれているのですか?」
国府田:「シーンによって靴は履き分けていますが、通常よく履くのは7センチくらいのヒールのラウンドかスクエアのタイプです。ポインテッドトゥは足が前に行って痛くなることがあったのであまり選ばないですね」
大崎:「ポインテッドトゥもとてもお似合いになると思いますよ。オーサキの靴はノンスリップソールを内側に使っているので、足が前に行かず固定されます。女性は年間通してストッキングをはかれることが多いので、そういった機能も常に考えて作っています」
国府田:「そうでしたか。ブティックオーサキのお靴はエレガントなデザインがステキだなといつも思っておりましたので、ぜひ試してみたいと思います」
大崎:「嬉しいです。季節によってテーマを決めていろいろなデザインをご提案しているので、お店にも見にいらしてください。今日はありがとうございました」
プロフィール
国府田清香 ハコワークス代表取締役
カルトナージュを日常のインテリア小物からファッション小物まで幅広く企画・提案。銀座のアトリエをメインに全国にて多数の教室を開催。展示会、イベント、企業とのコラボレーションなど幅広く活躍する。
出版物:マガジンランド「カルトナージュ」、「箱ワークス、カルトナージュ 2冊セット」